2009.8.4

公理系

有川雄二郎

 

公理系:人生における経験と動物的な直感によって、最近において、真実だと知った世の中の基本原理(多分)。

 

公理①:他人は、おしなべて、私を嫌いだ。

証明A:しかし人は、それを口に出しては言わないものだ。

 

証明B:他人が私を「嫌う」という感情は、具体的で、永続的で、揺るぎのない事実であるが、他人が私を「好き」ということは、一時的で、移ろいやすく、そもそも幻想か錯覚である。

 

証明C:現在、1000人くらい嫌われているので、今更、私を嫌う人がもう一人増えても怖くない。

 

証明D:人にお金をあげたりすると、少し好きになってもらえるが、その感情はお金を渡してから、数分でなくなる。

 

 

公理②:1万円札を燃やす人は、誰もいない。 

証明A:サブプライム問題やバブル崩壊で何百兆円も失われたというが、そんなことはない。バブルがらみのサブプライムの金融商品を買った人の財布からはお金はなくなったが、お金を返さないプエルトリコ人の老婆とか、家を建てたアメリカの大工さんとか、年収何億円の金融商品セールスの社員とかに、そのお金は渡っていった。つまり、お金は散らばっていっただけ。

 

証明B:日本やアメリカが不景気対策で発行している国債の100兆円以上のお金も、一度、世間に出たら永遠に世の中から消えない。あとで、帳消しにするには、政府が税金で集めて全部燃やすしかないけれど、政府はそんなことはしない。集めた税金はまた、使ってしまう。そこで、世の中の金はどんどんたまっていく一方である。

 

証明C:たまった金を、人は金融機関に預けようとする。家においておくと、女房に盗られるから。

 

証明D:金融機関は預かった金を運用しようとする。銀行は運用しないと食っていけないから。

 

証明E:しかし運用先がないから、株とか債権とか証券とか金融商品に投資をするしかない。

 

証明F:そこでまたバブルが起きる。

 

証明G:だから今のうちに、株を買っておくといいのだが、私は勇気がない。

 

 

公理③:年をとっても、人は賢くならない。 

証明A:60歳になると、顔にしわがよったり、頬の張りが失われたりして、人は思慮深くなったように見える。

 

証明B:しかし、60歳の人間は、少年のときと同じように欲が深く、エゴイストで、同情心に乏しく、何の分野でもいい知恵は浮かばない。

 

証明C:私がそうだ。

 

 

公理④:人間は我慢をしても、あんまりいいことはない。

証明A:妻の話を我慢して聞いていると、テレビドラマのストーリーや、洋服のバーゲンや、妻との海外旅行に関心があると思われ、面倒なことになる。

 

証明B:好きでもない上司の自慢話を我慢していると、終わらなくなって、深夜になってしまう。

 

証明C:トイレを我慢していると、便器や下着を汚す原因となる。 

 

 


    (続く)