2010年月4月28日(水)開演午後7時 国立能楽堂(千駄ヶ谷)

 狂言界の歴史に特筆すべき『万作・十八選』も大詰めを迎えた。大作とも秘曲とも言われている「花子」と「釣狐」を残すのみとなった。
 「花子」と「釣狐」が大曲と言われる由縁は、演技の技量が要求されるとか、演劇時間が長いとか言うことにあるのだろうが、それだけではなく、これらの狂言が提示するテーマの深さにも大いに関係していると思われる。「花子」では、遊女・花子に魅せられた男が、会いたさに焦がれる余り、危険を顧みず奇想天外のアリバイを作り上げる。また、「釣狐」では、生存を脅かされている狐が、これも切羽詰った必死の策略を演ずる。もだしがたい愛欲といい、殺戮されるものの必死の抵抗といい、悲劇となってもいいような、大変シリアスなテーマなのである。しかし、狂言は、この深刻な情理を「笑い」というメスで切る。人生では、深刻さと笑いは、同在するものなのだ。是非、名人万作による深い笑いを味わって欲しい。

ちらし表面

 

 

  狂言「花子(はなご)」 


洛外に住む男が、以前美濃国野上の宿でなじみになった遊女の花子が都に宿を取って逢いたいと手紙をよこすので、何とかして逢いたいと思うのだが、妻の目が光っていてままならない。そこで、妻には持仏堂で一夜の座禅をするから決してのぞきにくるなと偽り、太郎冠者に座禅衾をかぶせて自分の身代りにすると、花子のもとへ飛んでゆく。やがて妻が夫を見舞いにくる。あまりに窮屈そうなので衾を取り去ると、そこに現れたのは太郎冠者。事の次第を知った妻は激怒して、太郎冠者の代わりに衾をかぶり夫の帰りを待ち受ける。何も知らずに夢見心地で朝帰りをした男は、花子との逢瀬を語り始める。
 花子との逢瀬を小歌節で聞かせる、趣深い演目。演出的・技術的に格式が高い名曲です。

夫:野村萬斎 太郎冠者:野村万作 妻:石田幸雄

 

 

  狂言「無布施経(ふせないきょう)」

毎月きまってある檀家へ祈祷にやってくる僧。無事に勤めをすませ施主に別れを告げるが、今日に限っていつももらうはずのお布施が出てこない。毎月こうなっては大変と、僧は再三戻っては、雑談や説法にこと寄せてそれとなく催促するのだが、施主は一向に気づく様子がない。僧は最後に苦肉の策を思いつき…。
人間なら誰でも持つ心のゆれが、シテの独演によってユーモラスに、一抹の哀愁をもって描かれるところに、現代性が感じられます。施主とのやり取りに思わず微苦笑が浮かぶ佳作です。

僧:野村万之介 施主:深田博治

 

 

 

 
日時
2010年4月28日(水)
開場18:30 開演19:00
演目
狂言「花子」・狂言「無布施経」
出演
野村万作・野村万之介・野村萬斎・石田幸雄ほか
会場
国立能楽堂(東京・千駄ヶ谷)
主催

SAP・朝日新聞社

後援
(財)朝日新聞文化財団

チケット料金
(全席指定・税込)

正面席

7,800円 

脇正面席
6,800円
中正面席
5,800円
学生席
3,000円
※ご入場の際には学生証が必要となります。
チケットご予約・お問い合わせ

 一般発売 2月17日 10:00〜

SAP(サップ) TEL 03-5226-8537

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第十二回:2010年9月 厳島神社 「釣狐」
お問い合せはSAP 03-5226-8537(平日10:00〜18:00)まで
 
 

 

 

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